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是枝裕和監督『真実』のあらすじ
世界中にその名を知られる、国民的大女優ファビエンヌが、自伝本「真実」を出版。
海外で脚本家として活躍している娘のリュミール、テレビ俳優として人気の娘婿、そのふたりの娘シャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書─。
“出版祝い”を口実に、ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ。「いったい彼女は何を綴ったのか?」
そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎うず巻く心の影を露わにしていき―。
引用元:『真実』公式サイト
是枝裕和監督『真実』を観た感想
是枝裕和監督作品『真実』についての感想を書いていきたいと思います。
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークという凄い俳優陣を配して、フランスで撮影された本作。
非常に洗練された映画だという印象を持ちました。
舞台はフランスなんですが、これまで是枝監督の作品を観てきた人にとっては、いかにも是枝作品らしい映画だなぁと感じると思います。
『歩いても、歩いても』や『海よりもまだ深く』で描かれたような、母親と子供の、普段は表に出てくることのない微妙な心理について、繊細にえがかれているのです。
カトリーヌ・ドヌーヴが樹木希林に段々と見えてきた、といった感想も多いようですが、その感覚はよくわかりましたね。
とにかく、カトリーヌ・ドヌーヴの存在感が圧倒的でした。
フランスの国民的大女優・ファビエンヌをカトリーヌ・ドヌーヴが演じているのですが、自分自身の生き様・価値観について最も端的に描かれている場面がありました。
みんなで食事をしている時、ファビエンヌと、娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)が口論となります。
母親らしいことを全くしてこなかったファビエンヌ。そして娘のリュミールにとっては母親よりも深く愛していて母親のように慕っていたサラ(ファビエンヌの友人の女優)の死がファビエンヌのせいだったと責め立てるのですね。
そして「私はママを絶対に許さない」と言い放ち、席を立つのです。
それから、残されたリュミールの夫ハンク(イーサン・ホーク)に、ファビエンヌが話し始めるのです。
ハンクはファビエンヌの足元にも及ばないような、しがないテレビ役者なんですね。
よくあんな女と暮らせるわね。偉いわ。そのエネルギーを芝居に注ぎなさい。
この仕事は生半可じゃ無理。日常なんかどうだっていいの。
チャリティーや政治に口を出す女優は、女優っていう仕事に負けたのよ。
スクリーンの上の闘いに負けた人が、現実に逃げ込むの。
そして闘ってるフリをする。
分かる?
逆じゃないのよ。
私はその闘いに勝ってきた。
だから寂しくなんかないわ。
ファビエンヌの凄まじい生き様がこの言葉の中に凝縮されているようでした。
ファビエンヌは、女優として「非日常」に留まり続けて、そこで戦い続け、「現実」の安らぎに決して逃げ込むことはしなかったのですね。
「現実は逃げ込むもの」だという価値観には、鬼気迫るものがあります。
多くの人たちは、当たり前のことですが、「現実」をよりよく生きることが、人生の楽しみであり、それが人生の目的であるわけですね。
でもファビエンヌにとっては、「現実」は、女優として演じる「非日常」をよりよくするための、ただの手段であり道具のような感覚なのでしょう。
そのような常人ではない母親を持った娘にしてみたら、それはまさに悲劇ですよね。
非日常を常に漂い続けて「現実」には存在しないような母親の代わりに、リュミールの心の危機を察知して常に優しく傍にいてくれたサラ。
リュミールにとって母親よりも大切な存在であるサラが死んでしまった原因が、実の母親・ファビエンヌにあると確信しているという悲劇的な現実。
心から許し合い、和解するのは絶望的だと思われる状況なんですが、最後には、完全ではないにせよ心を通い合わせる瞬間が訪れるわけです。
そして、そのような気持ちを表現するような、映画の最後にみんなで空を見上げる時の、優しい光溢れる映像が本当に美しいのです。
未来への希望溢れる光が、そこには満ち溢れていました。
是枝作品は、いつも「光」が本当に美しいですよね。
今回の『真実』もまさにそうで、至る所に、美しく優しい光が溢れていました。
『真実』を観終わった後、優しく温かい気持ちに包まれることは間違いないと思いますよ。
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