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『運び屋』のあらすじと予告編動画
90歳になろうとするアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金もなく、ないがしろにした家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。
ある日、男から「車の運転さえすれば金をやる」と話を持ちかけられる。
なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。
気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出すが、麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)の手が迫る……。
(引用:『運び屋』公式サイト)
『運び屋』の動画を観た感想
『運び屋』の動画を観た感想をここから書いていきたいと思います。
88歳のクリント・イーストウッドが演じた、90歳のコカインの運び屋・アール・ストーンが、もうとにかく魅力的なんです!
クリント・イーストウッドはインタビューでこう語っていました。
監督として40作品目の『運び屋』。そしてクリント・イーストウッドが主演する映画はたぶんこれが最後になるでしょう。
そのような記念碑的な作品で、まさに最高の映画に仕上がっています。
まず、単純にロードムービーとして美しいです。
アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、ドラッグの運び屋として全米を車で移動します。
車から見えるアメリカ各地の風景、アールの佇まい、カーステレオから流れてくる音楽、全てが美しいんですよね。
それだけで古き良き時代が一気にフラッシュバックしてくる感覚に陥りました。
そして、そのようなロードムービーとしての内容以外に、この映画が伝えたいメインメッセージである「家族の物語」があるわけです。
アール・ストーンは、デイリリーという美しい花を育てる農場の経営に人生のすべてを注ぎ込んでいました。
仕事に没頭し家族の事は一切顧みなかったので、一人娘は12年以上も口をきいてくれないという、悲惨な状態に陥ってしまったのです。
ちなみに、この一人娘を演じたのは、クリント・イーストウッドの実の娘なんですよね。
クリント・イーストウッドも女性関係が派手で、最初の結婚で生まれたこの娘さんが3歳の時には家を出て違う女性と同棲していたらしいんです。
そのようにアール・ストーンの人生は、クリント・イーストウッドの人生をまさになぞっているかのようなんです。
ワーカホリックという点も同じですよね。
娘が父親を罵倒するシーンなど、積年の鬱憤をぶちまけているような、そんな気にもなってしまいます(笑)
まぁそれは余談として、この映画『運び屋』は、破綻してしまった家族関係を再生する物語でもあるわけです。
それまでの仕事中心の人生が完全に間違いであったと悟り、何とか家族の絆を取り戻そうとするアールが随所に語る言葉。
その言葉の数々が切なくも、素晴らしいんですね。
まず、メアリーという名前の別れた奥さんと、孫娘の結婚披露パーティーで交わした言葉が印象的でした。
メアリーが話します。
それを受けてアールが、
するとメアリーは、
と、この年になってもあなたは何もわかっていないのね、と言いたげな表情を浮かべながら話すのです。
アールは返す言葉もなくただ黙り込みます。
またある時は、運び屋の自分を追っている麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)と偶然出会った店で、アールは捜査官にこのように語るのです。
「俺にみたいになるんじゃないぞ。家族より仕事を優先した。最も大事なのは家族。仕事は2番目でもいいが、1番は家族でないと。」
「思い知ったよ。一人娘は俺と12年半も口をきかない。最悪だよ。まるで家族は存在しないかのようだ。だが仕方がない。」
自分のような取り返しのつかない失敗は絶対にしてほしくないという思いで本音を語るアール。
それを深く聞き入る捜査官。
これも印象的なシーンでした。
そして映画の終盤、メアリーが病気で倒れ、余命数日という状況に陥るのです。
運び屋としてコカインを運んでいる途中だったアールにとって、仕事を途中で放棄してメアリーの元へ駆けつけるということは、組織に殺されるという事を意味します。
でもアールは殺されることを覚悟して、メアリーの元へと向かうのですね。
もう今までのような仕事を優先し、家族を犠牲にしてきたという失敗を繰り返さないために。
すっかり弱り果てベッドに横たわっているメアリーと、久しぶりに二人きりでゆっくりと話をするのです。
アールが答えます。
それを受けてメアリー。
メアリーが亡くなるまでの数日間、二人だけで過ごす時間を持てたことで、二人の関係は以前のように冷め切ったものではなくなっていきます。
死の間際、メアリーはこのように語りました。
最後の最後に、長年離れていた心を、またもう一度深く通わせることができたんですね。
『私の人生で最愛の人。そして最大の苦痛の元。』
メアリーが人生の最期に語った本心に、アールは救われることになったのでしょう。
アールはメアリーが死んだことで悲しみに包まれるわけですが、家族としての固い絆は取り戻せたことで心の中の空洞を温かさで埋めることができたのです。
でも、その直後、運び屋として摘発され身柄を拘束されてしまいます。
裁判では、90歳という高齢のアールが麻薬組織にいいように利用されていたと弁護士が弁護しようとします。
しかし、アールはその弁護を遮り、
「私は有罪です。罪を犯した。」
と潔く罪を認め、服役するのですね。
まるで、自分の今までの人生全てが有罪であるというかのような達観した態度で。
罪を犯したとはいえ、あまりにも潔のよい立派なそのアールの態度に、家族だけじゃなく刑事さえも心の中で感動しているのです。
そして家族との別れ際、アールは娘と孫娘にこのような言葉を残すのです。
何と重い言葉でしょうか。
その重さが胸に突き刺さってきます。
仕事人間が家族を顧みず、本当に大切な家族との信頼関係を築くことに失敗してしまう。取り返しがつく間に何とかしなければならない。
日本中の多くのサラリーマン男性にグサッと突き刺さってくるメッセージ。
クリントイーストウッドがプライベートでの後悔も踏まえた奥深いこの映画のメッセージ。
僕自身も深く噛みしめました。
ここまで書いてきた感想の最後に、宮台真司さんが『運び屋』の公式サイトにも寄せていたコメントを紹介したいと思います。
誰より弱い自分に気づき、「強さ」の意味を知った。
社会の承認より社会からの脱落こそが福音だった。
それこそがイーストウッド的不条理劇の終着点だ。
社会に承認されていた時は気付かなかった大切なこと。
それが社会から脱落することで、骨身に染みるほど心の芯で理解することができた。
これぞ人生の真理ではないでしょうか。
クリントイーストウッドが伝えてくれた人生の真理を、胸に刻んで生きてきたいと思いました。
『運び屋』
クリントイーストウッドの集大成ともいえる本当に素晴らしい映画でしたよ。
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