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映画『よこがお』
『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督が放った衝撃の作品です。
いや~、何て言うか、、とにかく適切な言葉がなかなか見つからないほどの、凄い映画でした。。
スッキリ爽快系のエンターテイメント映画では全くありません。
この映画を観た後、世の中に対する自らの構え・印象のようなものが一部分変わってしまうほどの強度を持った芸術的映画です。
世界を、社会を、人間を、今よりも深く知りたい、という人は絶対に観たほうがよい映画です。
映画『よこがお』の簡単なあらすじです。
無実の罪を着せられ、人生を壊された女性の絶望と復讐を描いたサスペンスドラマ。
ひとりの女性の多面性を演じ分けてみせる主演・筒井真理子がすさまじくも美しい。
理不尽にさらされ、絶望を受け入れた末に、静かな衝動に駆られていくさまに引き込まれる。
訪問看護師・白川市子は、訪問先の長女・基子に介護福祉士になるための勉強を見ていた。
ある日、基子の妹・サキが行方不明になる。その犯人として市子が疑われ、冤罪と風評から全てを失ってしまう。
やがて彼女は「リサ」へと姿を変え、復讐に動き始める。
『よこがお』配信動画で観た感想
では、ここからは映画『よこがお』配信動画を観た僕の感想を書いていきたいと思います。
まず、誰しもが感じることだと思いますが、白川市子を演じる主演の筒井真理子の演技がとにかく凄まじいんですよね。
深田晃司監督は、筒井真理子の事を、「演技者としての天才的なセンスを持つ」と称していました。
以前の映画『淵に立つ』を観た時も筒井真理子の素晴らしさを感じましたが、今回の『よこがお』の筒井真理子は、あらゆる意味で凄まじかったですね。
社会の中で、市子の事を嫌いな人など一人もいない、そして市子自身も嫌いな人など誰ひとりいない、そんな温かい人間関係に包み込まれていた市子。
柔和な表情と言葉づかい、こんなにやさしい人はいないだろうというほどの、達観した女性を見事に演じきっています。
それが一転、基子の嘘によって、社会の外側に一気に放りだされてしまったわけですね。
深く信頼していた人が、誰も自分の事を信じてくれなかった。守ってはくれなかった。
社会の外にはじき出された市子は、社会の中にいた時とは対照的な存在となるわけです。
人間的な感情が完全に抜け落ち、「復讐」だけを目的に生きる、憎悪の感情に飲み込まれた存在である市子。
象徴的なのは、夢で犬になった市子が基子を襲おうとする場面です。
まさに市子の内面は、既に人間ではなく犬のような「獣」になってしまっているわけです。
その両極端な存在をここまで完璧に演じられる女優さんはなかなかいないでしょう。
あんなにも温かかった社会が、そして自分もその温かい社会の中で全ての人に温かく接していた関係が、一瞬で崩れ去ってしまうという現実。
それがあまりにもリアルで、「社会」とは実はそういった脆いものかもしれない、という「恐怖」を切実に感じるのです。
書き出したら止まらないので、非常に興味深かった一点に絞って、書いてみたいと思います。
それは、市子が復讐のために、基子の彼氏・和道とセックスする場面です。
実際はすでに基子とは別れていた和道なんですが、市子はまだ二人は付き合っていると思っていたわけです。
市子は和道に一切興味などないわけですが、復讐のためだけに周到に準備を重ねて、最終目的のセックスに至るわけです。
既に市子には人間的な感情が完全に抜け落ちているんです。
深い深い絶望が、市子から人間的な感情の要素を奪い去ってしまったわけですね。
なので、セックスも義務的に機械的にこなしそうなものなのに、市子は和道とのセックスで、間違いなく深く感じているんですよね。
もちろん「不安」などの要因や、ただセックスは気持ちいいものだ、といった文脈で考えられるのかもしれません。
でも、僕はもっと違った、もっと深い本質的な問題があるように感じたのです。
和道にまたがるような格好で、激しく腰を振り、あえぎ声をあげる市子。
そしてどうやらエクスタシーを迎えたであろう時に、自分自身が「市子」ではなく「基子」になり変わり、押入れの中でセックスしているという錯覚に陥るのですね。
まだ市子と基子が仲良くやっていた頃、基子がこっそり教えてくれた秘密のエピソードがあったのです。
子供の頃、基子は押入れの中に女友達と二人で入り、裸になって抱き合ったことがある、と。
セックスの絶頂を迎えた時、市子は基子になっていたのです。
なんで復讐セックスの最中に、復讐したい相手の意識に完全になり切ってしまったのか。
潜在意識(無意識)というものは、大好きだという感情と、大嫌いだという正反対の感情を、両方とも強烈に強い思いだという事で、混同して近しいものだとして解釈してしまうということなんでしょうか。
思いが深く、セックスという変性意識状態になると、そのような意識になりうる可能性があるのでしょうか。
それを言うと、そのような感情は基子にも当てはまるわけです。
基子は、当初、市子に対して尊敬という気持ちに近い感情を抱いて慕っていたわけです。
自分のお母さんよりも、市子が母親のように自分を優しさで包み込んでくれると感じていたようにも見受けられます。
そのような母親を慕うような感情が、性愛の対象としての「好き」という感情に変化していったわけですね。
そしてあまりにも好きになりすぎて、市子が自分よりも婚約者を選んだ事に深いショックを受け、市子が仕事や家庭を全て失い、社会から完全に排除されてしまうきっかけを自らが作ったのです。
基子もすぐに我に返り、何でそんな事をしてしまったのかと深い後悔にさいなまれるわけです。
基子は市子を陥れようと計算ずくでそのような事をしたわけではなく、無意識のうちにやってしまっているわけです。
市子の事があまりにも好き過ぎて、市子を破滅へと追いやってしまった基子。
このような心境の基子は、先ほどのセックスの最中の市子と、「反転」といった精神的な構造としては非常に近いものがあるのではないでしょうか。
深い肯定的な気持ちは、深い否定的な気持ちに、ちょっとしたきっかけで一瞬で反転してしまうこともある。
市子は和道との激しいセックスの最中、無意識の部分で、そのことを悟ったのではないでしょうか。
そのような深い本質的な部分を悟ったことで、無意識で、基子に許しを与えたのではないでしょうか。
基子という個人が悪いのではなく、自分も、そして全ての人がそうなる可能性がある、ということを知ったのではないでしょうか。
基子と自分に違いはない、と。
やはり「セックス」というものには、人間が持つ深い本質的な部分が表出される行為だという側面があるのではないでしょうか。
このセックスが、市子が社会の内側にまた戻ってくるきっかけになったことは間違いないでしょう。
人は、善良に見えたり、極悪に見えたりする事があるわけですが、そんなものはちょっとしたきっかけでどちらにも転びうる、そこにしっかりとした境界線などない、裏表の存在である、そんなメッセージを僕は受け取りました。
そして印象的なラストシーン。
車を運転する市子の「よこがお」が、ミラー越しに延々と長く映されています。
特に感情的な表情というわけではなく、淡々とした「よこがお」がそこには映し出されているのです。
その意味を言葉にするのは難しいのですが、その市子の「よこがお」が、社会について、人について、全てを物語っているかのようでした。
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『よこがお』を撮った深田晃司監督。
人間の本質、普段は人の心の奥底に沈められていて決して現れることのない無意識の領域、そのようなものを具現化する才能に満ち溢れているように僕は感じます。
そんな深田晃司監督が『よこがお』の前に撮って、こちらも話題をさらった名作映画『淵に立つ』についても感想を書いているので是非ご覧になってみてください。
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