名将と謳われているオールブラックスのヘッドコーチ、スティーブ・ハンセンが会見で日本について語っていました。
オールブラックスほどの最強チームを率いながら、スティーブ・ハンセンは何と謙虚なんだろうと感心してしまいました。
■「ボール回しの速度は素晴らしく、ラインスピードにも驚かされた。」
■「次から次へと相手に立ち向かっていき、大いなる勇気を持ち、そして多くの見事なスキルを披露していた」
このように、日本に対して最大級の賛辞を送っていました。
リップサービスというわけではなく、本当に謙虚な人柄であり、決して奢り高ぶらないんですよね。
本当に素晴らしい指導者だと思います。
普通に考えて、相手チームとの力量に差があると思えるような場合でも、強敵相手と全く同じように相手をしっかり分析し、勝つ為に全力を尽くす。
その積み重ねによって、ここまでの最強チームを築き上げることに成功したのでしょうね。
カナダとの対戦前にも、「対戦相手への礼儀を欠くと痛い目に遭う」と語っていました。
どんな時でも相手をリスペクトするということを決して忘れず、それはヘッドコーチとして選手全員に厳命しているのでしょう。
オールブラックスの選手からも、相手を少しでも甘く見るような発言は聞いたことないですから。
スティーブ・ハンセンだけではなく、日本を評価する声として、「速いパス回し」と「速いラインスピード」を挙げているケースが多いですよね。
ディフェンスの「速いラインスピード」はジェイミー・ジョセフがヘッドコーチとして就任した当初から、こだわって徹底的に磨いてきた部分です。
フィジカルの強化と、地獄の宮崎合宿で蓄えてきた無尽蔵のフィットネスのおかげで、アイルランド戦では試合の終盤までディフェンスラインのラインスピードが落ちる事はありませんでした。
これはまさに驚愕すべき点ですね。
このベースがあるので、スコットランドが相手であっても、決して大崩れすることなく、最後まで競り合いになる可能性が高いでしょう。
そしてアタック面で世界を驚かせた「速いパス回し」に関してです。
ジェイミー・ジョセフ就任当時は、キッキングゲームの部分がクローズアップされていたので、メディア上では日本のお家芸である「速いパス回し」が軽視されているのではないかと不安視されていました。
しかし、トニー・ブラウンアタックコーチは、随一の戦略家であり切れ者であり、そんな単純ではないということですね。
キッキングゲームを構築するのは時間がかかるし、日本の選手が得意とはしてこなかった分野なので、真っ先に手掛けたわけですね。
もちろん世界の潮流として、キッキングゲームが重要視されているという事もあったでしょう。
その一方で、速いパス回しを可能とするパススキルの向上にも一貫してこだわってきていたわけですね。
そしてその部分は、キッキングゲームよりも短期間で成熟させることができるという見立てであったわけです。
今や、相手の強みによって、キッキング比率を高めるのか、パス中心のボールキープ比率を高めるのか、戦略を全く変更することが可能となり、どちらも高いレベルで実行できているわけです。
そのようなチームは他にないですよね。
本当に成熟したチームになったという事です。
ワールドカップの残りの試合、その磨きあげてきた部分を、いかんなく発揮して、世界中のラグビーファンを魅了してもらいたいですね!
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