アイルランドに勝ったことで、世界の中での日本ラグビーの価値は、急激な高まりを見せています。
前回のワールドカップで南アフリカに勝ったからと言っても、それは一回の事だろうと日本の事を本気では認めてこなかった強豪国も、今度ばかりは認めざるを得ない、という雰囲気が各国の報道などからも伝わってきますよね。
そして更に、本物のラグビー強国だと誰からも認められる為には、決勝トーナメントに進出する事が必要となりそうです。
決勝トーナメントに進出する為の「勝ち点」の状況や、今後の予想については下記ページにまとめています。
4年前のワールドカップでは、初戦で南アフリカに勝った後、中3日で挑んだスコットランドにボーナスポイントを与えて大敗しました。
それが痛かったんですよね。
その時のチーム内の状況について、田中史明が興味深いことを言っています。
「南アフリカに勝って、何人かの選手はお祝いのお酒を飲んでいた。」と。
田中史明自身は、それはどうかなぁという思いがあったらしいのですが、ここまで苦しい練習を延々と繰り返してきて、ようやく結果が出たのだから、まぁ今日くらいはいいかと黙認したようなんです。
ただ、後から振り返って、あれは絶対によくなかった、ちゃんと止めるべきだったと言っているのですね。
「お酒を飲んだ事の影響で、スコットランド戦は間違いなく何パーセントかはフィットネスが落ちてしまった」とも発言しています。
自分がその時に感じたことを、伝えなかったことを後悔しているのですね。
そして、次に同じような機会があれば、自分は絶対に止める、とも言っていました。
アイルランドに勝って、まさに4年前と同じような状況が巡ってきたわけですね。
ただ、日本代表チームは4年前よりも更に成熟しており、田中史明が止めるまでもなく、お酒を飲む選手は誰一人いなかったでしょう。
その事について、田中史明は「チームとしてしっかり話し合ってきた。チームとしてやることが統一されている。」とも発言しているので、田中史明一人がそのように感じているのではなく、チーム全体で意識が統一できているのでしょう。
リーダー陣がしっかりとした、本当に良いチームになっていることを感じます。
そして4年前とは全く逆の状況で、日本とスコットランドは戦うことになるのです。
どういう事かというと、4年前、日本は南アフリカに勝ったあと、中3日という非常に短い準備期間でスコットランドと戦わなければいけませんでした。
スコットランドは日本との試合が初戦だったので、準備は万端だったわけですね。
そのような非常に厳しい状況の中、日本は完敗してしまったわけです。
そして今回、最終戦で日本とスコットランドが試合をするわけですが、日本は中7日と休養十分で試合に挑む事ができます。
一方のスコットランドはロシア戦が終わった後、中3日で日本と戦わなくてはならないのです。
環境的には開催国である日本に非常に有利な形で試合を迎えることができるわけですね。
田中史明は4年前、厳しい事をチームに色々と言わなければならず、「嫌われ者を自分が引き受ける」と言っていました。
でも今のチームは、意識の低い選手は誰もおらず、自分が注意する事は何もない、とも発言していました。
それほど意識の高いチームになっているのですね。
日本代表チームとして完全な状態でスコットランド戦に挑み、しっかりと勝ち切り決勝トーナメントに進むことを期待したいと思います。
厳しい試合になるでしょうが、このような意識の高い集団であるわけなので、必ずやってくれると確信しています。
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