ラグビーワールドカップが終わりました。
下馬評を覆し、南アフリカがイングランドを破りました。
ラグビーは、肉体的な強さが圧倒的なアドバンテージになるという、ラグビーの根底的な原理を改めて世界に知らしめたような勝利でした。
本当に強かったですよね、南アフリカは。
準決勝で、世界最強の座を何年も維持してきたニュージーランドを完全に封じ込めたイングランド。
イングランドの強さが本物であり、決勝も難なく南アフリカを下すのではないかという雰囲気が立ち込めていました。
しかし決勝では、イングランドは、自らがニュージーランドを封じ込めたのと全く同じような形で、強みを完全に消されてしまいました。
イングランドに目立ったミスも、もちろんその原因の一つでしょうが、やはりスクラムやラインアウトというセットプレーで圧倒された事が、試合の行方を大きく左右しました。
特に南アフリカのスクラムの強さは、物凄かったですね。
⇒⇒ 「南アフリカ vs.イングランド」ハイライト動画 ※動画が削除されてしまいました。
日本は南アフリカにスクラムやモールを押されまくり、力勝負の局面で粉砕されてしまいました。
やはり世界のトップとはまだ差があるのか、そのように感じた人は多かったでしょう。
しかし決勝戦で、イングランドのスクラムが南アフリカに押されまくって完全に粉砕された事実は、南アフリカのスクラムが飛び抜けて強かったことを証明しました。
日本の対戦相手が、南アフリカではなく、例えばウェールズであったなら、日本らしいスピードラグビーを見せつけて準決勝に進出したのではないか、そんな妄想が膨らみました(笑)
とにかく、南アフリカの「肉体の強さ」は、異次元でしたね。
日本は自分たちのラグビーが展開できる土台を作るために、更に肉体を強くしていく鍛錬が、4年後のワールドカップに向けてまた続けられていくのでしょう。
4分6分くらいのフィジカル差であれば、力勝負の局面では何とか踏ん張って、そこから自分たちの良さを発揮できるフィールドへ相手を誘い込むことができるわけですが、3分7分、もしくはそれ以上のフィジカル差となってくると、もう相手に完全に制圧されてしまいますね。
それがラグビーというスポーツの本質だという事を、南アフリカに知らしめられることとなりました。
ただ、日本のスクラムの進化には、世界中が驚いていました。
1センチ単位の角度に拘る日本の世界で一番緻密なスクラムは、日本だけにしかできない職人技のようなスクラムでした。
それはいかにも日本らしい美しい「作品」に仕上がっていましたね。
長谷川慎スクラムコーチという、スクラム職人が作り上げた作品は、輝きを放ちつづけました。
フォワードの選手達が口々に、「『慎さんのスクラム』をやっていればどこが相手でも問題ない」と言っていたのがとても印象的でした。
豊富な知識、確かな技術、包容力溢れる人柄、それらを併せ持つ長谷川慎は、選手達から全幅の信頼を得ていました。
それは、傍から見ていても感動的なほどの信頼関係でした。
観る側が感動するほどの信頼関係が、そのような職人気質の美しく強固な「作品」を作り上げたわけです。
そのような「日本らしさ」が、スクラム以外にも色んな所に見ることができたので、日本代表チームはここまで愛され、そして多くの人に感動を与えることができたのでしょうね。
ワールドカップは終わりましたが、すぐに大学ラグビーが始まり、そして年が明けて1月からはトップリーグが始まります。
オールブラックスのキャプテン、キアラン・リード、世界最高のロック、ブロディ・リタリック、日本を粉砕した南アフリカの核弾頭ドウェイン・フェルミューレン、ウィリー・ルルーなど、ワールドカップで活躍した選手達をトップリーグで観る事ができるわけです。
ラグビー人気がこれからもずっと続いてもらいたいですよね。
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