廣瀬俊朗という本名より、浜畑譲という役名のほうが有名になってしまったかもしれない廣瀬俊朗(笑)
ラグビーファンであれば、廣瀬俊朗は、カリスマ性を帯びた特別なプレーヤーとして誰もが知っている存在でした。
その廣瀬俊朗の知名度が、ラグビーファンという枠を超えて、ラグビーを一度も見た事がないという若い女性にまで広がっていますね。
「ノーサイド・ゲーム」で浜畑譲を好演した廣瀬俊朗は、このように語っています。
「ノーサイド・ゲーム放送開始後、女性に声をかけられることが明らかに増えました。そんな時はだいたい「浜畑」って言われます(笑) 30年くらいずっとラグビーをやってきたのに、ノーサイド・ゲーム放送から2日で本名の知名度は抜かれました(笑)」。
自ら望んでドラマに出演したわけではないようですが、ノーサイド・ゲームに廣瀬俊朗が出演したことによって、ラグビーに興味を持つ人は間違いなく増えましたよね。
今はラグビーの普及に全身全霊で取り組んでいる廣瀬俊朗にとって、この現象は嬉しい誤算なんだろうと思います。
開催間近であるラグビーワールドカップの日本代表メンバーに、廣瀬俊朗がメッセージを送っていました。
「田中史朗という経験がある選手には、支える役割が期待されていると思う。試合に出ようが出まいが、フミ(田中史朗)が支えてほしい。フミにとって最後のワールドカップだと思う。裏で支えるという意味でも期待しています」。
廣瀬俊朗らしい素敵なメッセージですよね。
前回のワールドカップで自らが担った役割を、田中史朗に託しているのですね。
エディージョーンズが日本代表のヘッドコーチに就任した際、エディーは廣瀬俊朗をキャプテンに指名しました。
その当時、まだまだ日本代表は弱く、それほど注目されることはありませんでした。
そのような、とても苦しい時期に廣瀬俊朗は、キャプテンとして日本代表に自らの全てを捧げていたわけです。
そしてチームとして結果が出始めた、ワールドカップを翌年に控えた頃、廣瀬俊朗はキャプテンを解任されるのです。
廣瀬俊朗にとって、それはまさに青天の霹靂だったでしょう。
表には見せませんでしたが、当時は本当に辛かったと最近になって語るようになった廣瀬俊朗。
廣瀬俊朗は最近「ラグビー知的観戦のすすめ」(角川新書)という本を出版したのですが、その中でも、当時の辛い心境を吐露しています。
でもその辛さを乗り越え、キャプテンを外されただけではなく、試合にもほとんど出場できなくなった状況の中で、チームの為に自分はいったい何ができるのかと考え、裏方としてチームの為に行動していくのです。
相手チームの分析を担当したり、試合に出場するメンバーの士気が高まるようなビデオを作成したり、とにかくチームが勝つために尽力したのですね。
そして日本代表は、南アフリカに勝つという「歴史的な出来事」を成し遂げるわけです。
チームの中心選手として活躍していたスクラムハーフの田中史朗は、その試合を振り返ってこのような事を言っていました。
「あの人(廣瀬俊朗)がいたから勝てた部分は、間違いなくある」
本当に感動的な言葉ですよね。
試合に出ていない廣瀬俊朗が、そこまでチームに大きな影響を与えていたのですね。
そのような、誰にもできないような役割を果たした廣瀬俊朗は、同じ役割を田中史朗に求めているわけです。
田中史朗も、若手二人のスクラムハーフに追い上げられて、試合に出る機会は依然と比べて減ってきています。
でも、誰よりも豊富な経験や知識を誇るわけですね。
ある意味では、廣瀬俊朗は以前の自らの姿を、田中史朗に重ね合わせているのでしょう。
そして田中史朗が自らと同じ役割を果たしてくれれば、日本がベスト8に勝ち上がることもできるだろうと考えているのではないでしょうか。
廣瀬俊朗という人物、人格者であり、本当に魅力的ですよね。
そして田中史朗も、自分のことよりも、日本代表のチームが勝つ事を強く願っている、そんな崇高な人物です。
勝敗を度外視しても、そんな素晴らしい選手がいるというだけで、応援したくなりますよね。
とにかく、もうすぐに日本開催のラグビーワールドカップが始まります。
全身全霊をかけてプレーする選手たちの雄姿をしっかりと目に焼き付けたいと思います。
ラグビーワールドカップの全試合がJSPORTS(スカパー)で放送されます。
日本でラグビーワールドカップが開催されるという、人生で一度きりの機会を心の底まで楽しみましょう!
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