『ハケンの品格(2020)』の感想を各話ごとに書いていきたいと思います。
『ハケンの品格』が13年振りに帰ってきましたね。
13年も経ってるわけですが、大前春子演じる篠原涼子が全然変わってなくてびっくりしましたよ。
13年前よりも更に魅力が増してるって凄いですよね。
2007年と2020年の現在では、激動と言ってよいほど社会のあらゆる面で色んな事が変わりました。
会社と社員の関係性、あるべき理想の働き方、そして「派遣社員」に対する考え方も変わりましたよね。
ドラマ内でも、パワハラ、セクハラ含め、現在の社会を描こうという意識を感じました。
『ハケンの品格』第一話の感想
では、ここから『ハケンの品格』第一話を観た感想を書いてみたいと思います。
ドラマの冒頭から、登場人物が出ているたびに、その人物の年収が表示されるんですよね。
これがリアルで(笑)、見ていて何とも言えない気持ちになりましたよ。
表示された年収はこんな感じでした。
■千葉小夏(山本舞香)22歳 新人派遣社員
⇒ 年収258万円
■福岡亜紀(吉谷彩子)29歳 派遣社員
⇒ 年収277万円
■井手裕太郎(杉野遥亮)23歳 S&F新入社員
⇒ 年収340万円
■三田貴士(中村海人)22歳 S&F新入社員
⇒ 年収340万円
■浅野務(勝地涼)35歳 S&F主任
⇒ 年収600万円
■里中賢介(小泉孝太郎)43歳 S&F課長
⇒ 年収970万円
■宇野一平(塚地武雅)45歳 S&F部長
⇒ 年収1,110万円
派遣社員の年収が少ないのは分かっていたことですが、一番厳しいのは派遣社員と正社員の給料の伸び率の差ですよね。
派遣は年齢を重ねてもほとんど給料が伸びてないですよね。
福岡亜紀は30歳間近になって、派遣として働ける職場の選択肢が少なくなってきていることに悩んでいます。
たぶん学校を卒業して、10年近く派遣社員として色んな職場で頑張ってきたのでしょう。
それなのに新人派遣社員と給料にほとんど差がない。
そして年齢を重ねる毎に、その少ない給料をもらえる保障もなくなってくる。
将来に対してこんなにも不安なことはないですよね。
福岡亜紀がセクハラに甘んじて耐えているのも、そのような「不安」が大きな要因ですよね。
福岡亜紀がセクハラされ、それを見た千葉小夏が我慢できなくなって人事部に相談する場面がありました。
匿名のはずだった相談が、実際はセクハラ社員を守るために、派遣二人の首を切る為の面談にすり替えられてしまったのですね。
そんな二人の窮地を、大前春子(篠原涼子)と里中賢介(小泉孝太郎)が見事に救いました。
仕事が終わると、サッサと引き上げようとする大前に、里中が言いました。
「派遣の気持ちを一番よくわかっているあなたから、この人たちに何か言ってください。」
それを受けて大前春子は、人事部の連中に向かってこのように言いました。
「死ぬほど嫌な目にあった次の日も派遣が笑顔で出勤するのは、生きるためです。」
「生きるために、泣きたくても、笑ってるんです。」
「有給たっぷりの皆さんとは、違うんです。」
大前春子のこの言葉を、福岡亜紀と千葉小夏は涙を流しながら聞いていました。
普段は絶対に表には出てこない「派遣の本音」の最も深い部分を、ズバッと言い切った大前春子。
特に、年齢的な事からも大きな不安を感じている福岡亜紀は、この言葉で救われたのでしょう。
自分が心の奥底に秘めている事を、誰かに代弁してもらうことで、もう本当に人生が救われたと感じることってありますよね。
そのような事を感じる美しいシーンでした。
僕は大前春子のこのような本質的な言葉を一番楽しみにしているんです。
あまりにも言動が極端で、安っぽいコントを見てるように感じる時もありますが(笑)、ここ一番のセリフには心を動かされます。
第二話以降も新しい『ハケンの品格』を楽しみたいですね。
また感想を書いてみたいと思います。
『ハケンの品格』第二話の感想
『ハケンの品格』第二話の感想を書いてみたいと思います。
第二話は、22歳の新人派遣社員、千葉小夏(山本舞香)が主役でしたね。
しかし、千葉小夏演じる山本舞香は本当に可愛いですねぇ(笑)
千葉小夏のファッションも素敵で、毎日のコーディネイトが凄くいいなぁと思います。
そんな千葉小夏の活躍と苦悩が第二話の中心でした。
S&Fで商品開発の仕事がどうしてもやりたくて入社試験を受けたのに落ちてしまった千葉小夏。
そして派遣社員としてS&Fにやってきたわけですが、やる気のない正社員に我慢ならないわけですね。
派遣社員は雑用ばかりやらされて感謝すらされないのに、やろうと思えばなんだってできる社員に全くやる気がない。
悶々としている時、新しい企画を提案するという待ちに待った機会が訪れたわけです。
ただ、そこで色々と事件が発生して、派遣社員としての限界を思い知ることになってしまったわけです。
あまりにも辛くて、大前春子(篠原涼子)に、
「派遣は仕事にやりがいを持っちゃいけないんですか?」
と涙ながらに質問します。
と言われたけど、その意味がよくわからないし、納得もできない小夏。
その後、二転三転あって、千葉小夏が提出した企画が見事採用されることになったわけです。
浅野主任にも褒められ、そして深く感謝され、S&Fに来て初めて仕事を通して満たされた気持ちになった小夏。
そして大前春子から、このように言われました。
「派遣なんかなどと、自分の仕事を軽く低く考えるのは、あまりにも自分に対して無責任。明日から止めなさい。すぐにやめなさい。」
含蓄のある素晴らしい言葉の数々ですよね。
「自分に対する責任。」
と、一人になった後、大前春子の言葉をもう一度繰り返し、噛みしめながら、明るい笑顔を取り戻す小夏。
自分が「やりがい」を得られない原因を、派遣だからという自分では変えられない環境のせいにしていた今までの自分。
そんな未熟な自分を戒めるような心境の変化を見せた小夏。
変えられない環境を嘆くのではなく、自分に対する責任を全うすること。
このような小夏の大きな成長に、大前春子の言動が大きな影響を与えたのは間違いないですね。
普段は「完全な効率主義者」のように見える大前春子。
でも、時折見せる深い愛情が込められた表情や言葉から、鉄仮面のような無感情の外面とは全く違った、温かい内面を持ち合わせていることは間違いない春子。
春子をそのようにさせている要因は、「大いなる危機感」なのかもしれませんね。
派遣社員を部外者扱いし、「会社は船で社員は家族」といった昭和を彷彿させるような古い価値観しか持ち合わせていないS&Fの社長。
S&Fも、古い社長のせいでこのままだと沈没すると予言する春子。
また、本当に美味しく安く、温かみのある町の小さなお蕎麦屋さんが潰れてしまう光景を目の当たりにして、「本当によいもの」であったとしても生き残るのが難しい時代だと痛感しているようにも見える春子。
個人も会社も、変わらないと沈没してしまう。
大きな悲壮感を持ち、何らかの「大いなる覚悟」を持ってS&Fに13年振りに復帰したように見える春子。
それが何なのか、これから回が進むにつれ、具体的に見えてくるのでしょうね。
次回が更に楽しみになりました♪
『ハケンの品格(2020)』第三話の感想もまた書きたいと思います。
『ハケンの品格』第三話の感想
『ハケンの品格』第三話の感想です。
第三話、僕は一番面白かったですね。素直に感動しました。
第三話は「カレー」の話。
そして「ハケンの品格」というより、「バイトの品格」といった回でしたね。
SNS炎上、バイトテロ、それによる不買運動という、昨今世間を騒がせたようなテーマも扱っていました。
でも、一番の注目ポイントは、あの大前春子が、その生き様を深く尊敬する人物が登場したということでしょう。
その人物とは、高い役職などといった社会的地位には全く縁のない、バイトの牟田さん(六角精児)です。
S&F食品の社員食堂は、カレーが抜群に美味しいということで評判でした。
そのカレーを22年間のも長きにわたって、薄給のバイトという立場で作り続けたのが牟田さんだったのです。
そんな牟田さんのおかげで、素晴らしいカレーが作られていたということなど社員は知るはずもなく、コストカットと称して簡単に首にしてしまったのです。
それから色んな騒動があり、辞めた牟田さんのカレーの味を、大前春子が再現させる役を命じられたのですね。。
牟田さんの指導を受けながら、あの伝説のカレーの味を再現させようと奮闘する春子。
徹底的にこだわり抜いたカレーであったことを知った春子は、
と言葉をかけるのです。
春子と牟田さんは20数年前に、インド大使館で一緒にカレーを作っていた同志だったんですね。
と答える牟田さん。
そしてそのあと、春子は今まで見せたことのないほどの優しく柔らかい笑顔を牟田さんに見せたのでした。
春子は、牟田さんのように、一つの仕事を長年に渡って徹底的にこだわり抜く、職人のような存在に対して深い尊敬の念を抱くようです。
そして社長に向かって、このように言い放つのでした。
「牟田さんはバイトでも何でもいいから、ずっとここで働いていたかった。勤務時間中、副業にうつつを抜かすそこらへんの社員と比べるのもおこがましい。」
どんな「権威」に対しても臆することなく、「正しいこと」を真正面から言い放つ。
普段は極端に不愛想だけど、「弱い立場の人」に誰よりも優しく寄り添い、そして自らの超人的能力を発揮して救っていく。
そんな大前春子の魅力がいっぱい詰まった回でしたよ、第三話は。
日本は沈没するから「円」は持っていない。資産はドルとユーロだけ。
ということも第三話で判明しました。
口癖のように「日本は沈没する」と繰り返す大前春子。
回を重ねるごとに、果たしてそれがどのような結末へと繋がっていくのか、非常に楽しみですよね。
『ハケンの品格(2020)』第四話の感想もまた書きたいと思います。
『ハケンの品格』第四話の感想
『ハケンの品格』第四話の感想です。
第四話は、そんなに見所はなかったですね(笑)
ダメ新入社員の井手君(杉野遥亮)の成長物語といったところでしょうか。
仕事も全くやる気がなく、人に対する思い遣りも欠如しているダメダメな新入社員。
毎晩のように飲み会に付き合わされるのも苦痛で、いよいよ会社を辞めることを真剣に考え始めた井手君。
その矢先、ある事件が勃発して、井手君は大前春子と二人っきりで冷凍室に閉じ込められてしまいました。
そこで大前春子の話を聞くうちに、すっかり大前春子に心酔してしまった井手君。
会社も会社での人間関係も本当につまらないけど、大前さんのような生き方ができれば、自分らしい未来が切り開けるかもしれない。
そんな風に感じ、会社に入って以来、初めて「希望」を見出すことができたんですね。
と皆の前で宣言した井手君。
それを受けて大前春子は、
「でも、多少は見所のあるヘタレかと。」
と彼女らしい、皮肉を込めたエールを送ったのですね。
第四話の前半で、大前春子が千葉小夏にこのように話す場面がありました。
『同一労働同一賃金』と高らかに宣言しながらも、実際の現場では一向に変わる気配がない。
相変わらず、ハケンはこき使われて給料は上がらない。
そんな現実を大前春子の言葉を借りて批判しながらも、変わらない環境の中で生き残っていかなければならないので、何とか自分を高めて必要とされる存在になるしかない。
そんなメッセージのようにも聞こえました。
『ハケンの品格』第五話の感想
『ハケンの品格』第五話の感想です。
第五話は、今までで一番感動的でした♪
情に厚い大前春子(篠原涼子)の魅力が前面に押し出された回という感じでした。
東海林課長(大泉洋)の肝いり商品「黒豆ビスコッティ」。
ただ、その商品のダイエット効果のデータ改ざんが発覚して、謝罪会見を開くまでの全社的なピンチに陥ることになったわけです。
「黒豆ビスコッティ」を作っている北海道のお菓子会社社長は、美味しくて体に良いお菓子を皆に食べてもらいたいという気持ちに溢れた、素朴で本当に素敵な人だったのです。
そんな素敵なお菓子会社社長と東海林課長の為に、大前春子は徹夜で大変な作業をやってのけ、ピンチを乗り切ることができたわけですね。
そして、東海林課長に関する新たな事実が、大前春子の口から語られました。
13年間も本社勤務から外されて地方に飛ばされていた理由が。
13年前、大前春子の力を借りて、「社長賞」を取れる寸前までいった東海林。
でも土壇場で、その成果を自分の手柄にはせず、「ハケンがほとんどやった仕事」だと正直に報告した東海林。
「アンチ派遣」である社長の逆鱗に触れて、本社勤務からは外されたということだったのですね。
そのような東海林の実直さに、大前春子は一目置いているのは間違いなさそうです。
いつもはバカにばかりしているわけですけどね(笑)
東海林のことを大前春子はこのようにも語っていました。
この言葉も、間違いなく大前春子なりの賛辞ですよね。
「出世」などよりも「真実」や「人間関係」を大切にする東海林。
それを誰よりも深く理解している大前春子。
しかし次回、東海林に試練が訪れそうです。
社長から東海林が本社に呼び戻された本当の理由が語られたのです。
「アンチ派遣」の社長なので、東海林に「派遣切り」をやらせるのではないか、そんな予感がしますよね。
そこで東海林はどのように振る舞うのか。
そして大前春子はそれを受けてどう行動するのか。
『ハケンの品格』第六話を楽しみに待ちたいですね♪
『ハケンの品格』第六話の感想
『ハケンの品格』第六話の感想です。
第六話は『AI』がメインテーマでしたね。
S&FがAIを導入し、コストカットの対象をAIが判断するということになったわけです。
前回、社長から東海林が本社に呼び戻された理由が語られました。
「人間関係のしがらみがない君にしかできない仕事をやってもらいたい。」と。
その仕事とは、下請けの会社を切る、ということだったのです。
そして下請け会社の中でも、利益率が最も低い「隅田フーズ」を切る必要に迫られるのです。
ただ、「隅田フーズ」は里中がずっと愛着を持って担当してきた会社。
昔ながらの日本の良さにこだわったお弁当屋さんで、そのこだわりの強さが利益率の低さにつながってしまっていたわけです。
こんな素敵なお弁当屋さんと取引終了させるわけにはいかないと、里中や大前春子が奮闘とじすることになるのです。
しかし、最後に意外な結末を迎えることになりました。
大前春子はわざと判断を誤ることによって、S&Fと隅田フーズの取引は終了することになったのです。
大前春子の真意はいったいどこにあるのか。
最初、誰もが理解できませんでした。
そしてその真意が大前春子の口から語られました。
S&Fなどという図体がでかいだけの大したことない会社と運命を共にする必要などない、ということだったのです。
隅田フーズは小さいけれど本当に素晴らしい会社で、S&Fなどに頼らなくても絶対にやっていける、と。
荒治療とも思えるような、その大前春子の真意を、隅田フーズ社長はしっかりと汲み取り、自分たちのやり方で進んでいく決意をするのです。
目先のちょっとした利益を求めるのではなく、本当に大切なものを信じて、大きな存在に依存するのではなく、自らの足でしっかりと地面を踏みしめ自立していく。
これからの時代に生き残っていくために必要なことを、大前春子は指し示したということなんですね。
冷徹なのではなく深い愛情があるからこそできること。
大前春子の優しさが、また今回も垣間見れたのでした。
そして第六話ではこんなこともありました。
東海林が大前春子に泣きついていった時、全く受け止めてくれずにひどいことを言われたのです。
その時、東海林は、
「ひどいって分かっていても、やっぱり好きだ。」
と思いがけず告白してしまうのです(笑)
さて、この二人は最終的に結ばれるのか、どうなのか。
今後の楽しみのひとつですね。
そんな東海林に次回、また大きな試練が訪れそうです。
AIが査定した「人材スリム化リスト」に、東海林は「必要ない人材」として×印がつけられていたのです。
里中が社長に呼ばれたのは、×印がつけられている東海林を切り捨てる役割を押し付けられたのではないでしょうか。
『ハケンの品格』第七話でそのあたりの真相が分かりそうですね。
『ハケンの品格』第七話の感想
『ハケンの品格』第七話の感想です。
色んな事が盛り込まれた感動的な回でした。
里中の元に社長から「人材スリム化リスト」が届いているのを他の社員たちに見られてしまい、大騒ぎとなりました。
東海林も自分に×印がつけられていて、愕然とするわけです。
東海林を含め、リストラ候補の社員たちは、里中が役員に昇格したいが為に自分たちをリストラしようとしていると勘違いしてしまいます。
深夜の会社で、東海林と里中が二人だけで話し合いました。
殴り合う寸前までいった二人ですが、誤解は解け、里中は東海林にこのように言ったのです。
「S&F直営店コンビニのプロジェクトが失敗したら会社を辞める。」と。
それを受けて東海林は、
「俺たちを踏み台にしてのし上れ!」
「けんちゃんは、自分を押さえつけ過ぎなんだよ。たまには自分勝手に生きてみろよ。」
「俺や仲間の為なんかに闘わず、自分の為に闘え。そしてなりふり構わず勝て!」
と言って里中を激励するのです。
二人の深い友情が改めて確認された感動的なシーンでしたね。
そしてコンビニプロジェクトの発表会の場で、里中は驚くような発言をしたのでした。
「このプロジェクトがうまくいけば、私は仲間と共にS&F本社から独立します。」
社長含めて誰も聞いていなかった事を発表会の場で爆弾発言したわけです。
それが里中が考え抜いた結論だったわけですね。
血の通わないAIの言いなりなんかになる会社にいるよりも、苦楽を共にしてきた仲間と共にこれからもずっと一緒に仕事をしていきたい、と。
東海林から、「自分勝手に生きてみろ。自分の為に闘え。」と言われた言葉、そして大前春子から「この状況を変えたいなら、あなたが変わるしかない。」と言われた言葉で覚醒した里中は、実際に行動に移したのです。
そして更にもうひとつ、ずっと自分の中に押さえ込んできた感情を爆発させたのです。
大前春子にプロポーズしたんですね。
「一生、同じ方向を見て歩いていきたいんです。公私ともに僕のパートナーになってください。」
いきなりのプロポーズに、唖然とする東海林と大前春子。
東海林がずっと大前春子の事を好きだと感じていた里中は、自分の感情を今まで押し殺してきたわけです。
でも、「自分を押さえつけ過ぎなんだよ。たまには自分勝手に生きてみろよ。」と東海林に言われた里中は、大前春子の事を好きだという思いを解き放ったのです。
次回はもう最終回です。
大前春子は里中のプロポーズを受け入れるのか。
東海林はいったいどうなるのか。
楽しみです。
『ハケンの品格』最終話の感想
『ハケンの品格』最終話の感想です。
とうとう最終話になってしまいました。
前回の第七話の最後、里中が大前春子にプロポーズしたわけですが、実はそれがプロポーズじゃなかったという話からスタートします(笑)
プロポーズじゃなかったということに、少しがっかりした表情を浮かべる大前春子。
そこにも大前春子の深い人間味が垣間見えます。
AIと囲碁で勝負したり、里中と東海林に説教したり、相模湾で新鮮なアジを獲ってきてアジフライを作ったり、最終話も大前春子は大暴れしました。
里中の為にアジフライを作ろうと早朝、会社食堂の厨房に忍び込んで準備している時でした。
そこに警備のドローンがやってきて、大前春子はそれを叩き壊してしまうのです。
ただそれだけのことで、会社をクビになってしまうのです。
大前春子にとって人生で初めて自分自身が「派遣切り」されてしまったのです。
そして大前春子は涙を流しながら会社を去っていくのです。
その涙には、共に働いてきた里中や東海林、小夏や亜紀への想いが間違いなく詰まっていたのだと思います。
切なくも、とても美しい涙でした。
S&F市場の成功を置き土産に、大前春子は去っていきました。
その事件をきっかけに、派遣社員を軽視し続ける社長や会社の体質に嫌気がさした里中は、会社を辞めて独立し、自分のお店(お惣菜屋)を開くことにしたのです。
そしてそのお店に正社員として、小夏と亜紀が働くことになるのです。
念願の正社員になれて、それも尊敬する里中のお店で一緒に働けるということになって嬉しくてたまらない小夏と亜紀。
逆に井手裕太郎は正社員だったS&Fを辞めて派遣社員として働くことにしたのです。
小さなお惣菜屋さんではあっても、同一労働同一賃金という理想を実現させた里中。
みんな笑顔いっぱいでやりがいを心から感じながら活き活きと働いている姿は、やっぱり素晴らしいものです。
「ある人に出会う前と後で、自分がすっかり変わってしまうことがある。」
と里中は言いました。
大前春子に出会ったことで、自らの理想に向けた人生の新しい一歩を踏み出すことができたわけですね。
そしてその大前春子は、何と、長年の夢だった演歌歌手になっていたんです(笑)
最後の最後まで破天荒な生き方を貫いていくのでしょう。
東海林は里中の誘いに断り、S&Fに居残ることにしました。
終身雇用、年功序列、残業後の飲み会、お花見、などといった会社の無駄が大好きだと本音を語る東海林。
みんながそれぞれ、自分が居心地が良いと思える場所に落ち着き、ハッピーエンドとなりました。
そして里中は、大前春子が教えてくれた「とても大切なこと」を最後に語るのです。
『働くことは生きることだ』
シンプルだけど、胸にグッとする素敵な言葉です。
多くの人たちが生きがいを感じられる場所で、日々、活き活きと働いてほしい。
そのようなメッセージを僕はこのドラマから受け取りました。
変化を恐れずに、勇気を持って一歩踏み出していったそれぞれの姿に感動しつつ、自分もそうあらねばと感じました。
『ハケンの品格』
終わってしまうのが本当に残念です。。
本当に素晴らしいドラマでしたよね♪
この記事へのコメントはありません。