『ノーサイド・ゲーム』で「浜畑譲」役を好演する廣瀬俊朗という存在が話題になっています。
『ノーサイド・ゲーム』というドラマが始まるまで、ラグビーファン以外に「廣瀬俊朗」という名前を知っている人は誰もいなかったでしょう。
廣瀬俊朗というラグビー選手が、前回のワールドカップでどれほど重要な存在だったのか、前回の記事に詳しく書きました。
そこで今回は、廣瀬俊朗がどのようなプレーの特徴があるラグビー選手だったのか、よりマニアックに紹介してきたいと思います。
それを知る事で、『ノーサイド・ゲーム』をより深く楽しめることは間違いなしですよ!
廣瀬俊朗のラグビー選手としての特徴と凄さについて
廣瀬俊朗は、北野高校、慶応義塾大学、東芝と強豪チームでずっとプレーを続けていました。
北野高校というのは、大阪で最も有名な公立高校の一つですよね。
廣瀬俊朗は、まさに「文武両道」を実践し続けたラグビー選手選手と言えるでしょうね。
前回のワールドカップで南アフリカを破り、ラグビー界における日本の地位は劇的に向上しました。
それまでは完全に「弱小チーム」扱いでしたからね。
そこまで大躍進を遂げる事のできた大きな理由の一つとして、日本代表ヘッドコーチを務めたエディー・ジョーンズの存在が挙げられます。
多くの日本代表選手が、今まで経験したことがないと絶句するほどの猛練習を合宿で繰り返したのは有名な話です。
そして選手の限界値を上げる事に成功し、ワールドカップでの成功へと繋がっていくわけです。
そんな世界の名匠と呼ばれるエディー・ジョーンズが、
「自分の長い経験の中で最もクレバーなラグビー選手は廣瀬俊朗だ」
と言ったんですね。
エディー・ジョーンズは世界中の色んな強豪チームに関わってきたわけで、その中で一番賢い選手というわけですから、それはやっぱり凄いことなんですよね。
廣瀬俊朗はエディー・ジョーンズの全幅の信頼を得ていたわけです。
そんな廣瀬俊朗ですが、日本代表の試合には、徐々に出場できなくなっていくのです。
もともと、『ノーサイド・ゲーム』の「浜畑譲」役のようにスタンドオフというポジションをずっと務めていた廣瀬俊朗ですが、東芝で数年プレーした後に、ウィングへとポジションチェンジするのです。
ウィングというポジションは、現在の日本代表では、福岡堅樹、松島幸太郎、レメキロマノラヴァが務めています。
例えば福岡堅樹は、世界で最もスピードのあるラグビー選手の一人と言われるほど、爆発的なスピードが最大の武器です。
そのようにウィングというポジションは、チームで最もスピードのある選手が配置され、みんなが繋いだボールを最後にトライするというケースも多いポジションなんですね。
さて、廣瀬俊朗はどのようなプレースタイルだったのか?
国内レベルでは、
「スピードがあって自分でボールを持って走るのが得意なスタンドオフ」
という評価を得ていました。
ウィングへポジションチェンジしてからも、ウィングらしいウィングというより、どんどん内側に入ってきてボールをもらう、というような、どちらかと言うと「ウィングらしくない」プレーが売りだったような気がします。
体は173センチとトッププレーヤーの中ではかなり小さい部類だったのですが、大きな選手も吹き飛ばすほどの「体幹の強さ」が売りでもありました。
東芝というチームは、肉体を徹底的に鍛え上げて、肉体の強さで相手を圧倒するというチームでもあったので、その東芝の中で廣瀬俊朗もどんどん体の強さを身につけていきました。
スタンドオフとしては、そこまでキックが飛ぶわけでもなく長いパスが放れるわけでもない、ウィングとしては、そこまでスピードがあるわけでもない。
でも非常にラグビー理解力が高く、試合の先を読む能力がある。
そして体を張ったタックルもでき、基本プレーにも忠実、チームをまとめる抜群のキャプテンシーを誇る。
そんなプレーの特徴がある廣瀬俊朗でした。
ただ、何か飛び抜けて高い能力があるわけでもないので、東芝という当時国内で一番強いチームでキャプテンを務めていた廣瀬俊朗なんですが、日本代表に選ばれることは一度もありませんでした。
それが、エディー・ジョーンズが日本代表のヘッドコーチになると、今まで日本代表経験の全くない廣瀬俊朗を、いきなり日本代表のキャプテンへと抜擢するわけです。
エディー・ジョーンズはその理由として、「廣瀬俊朗の人格の素晴らしさ」を挙げていました。
世界的名匠・エディー・ジョーンズは、選手を選考する際、ラグビーの技術だけではなく、人格も含めたトータルな人間力で選手を選考していたのです。
もしエディー・ジョーンズが日本代表のヘッドコーチにならなかったら、廣瀬俊朗は一度も日本代表になることなく、ラグビー人生を終えた可能性は高かったかもしれません。
そしてもしそうであったならば、日本代表はワールドカップであそこまで躍進することはなく、ラグビー人気は今よりもずっと低かったかもしれません。
それほど、当時の日本代表の中で、廣瀬俊朗の存在感は大きなものだったんですね。
ラグビー選手の中で最も有名になった五郎丸歩は、廣瀬俊朗のことを「兄貴」とずっと慕っていました。
そして当時の日本代表の中心メンバーの一人、立川理道も五郎丸歩と共に廣瀬俊朗のことを兄のように慕っていたことは有名です。
廣瀬俊朗というのは、そのような魅力的な人物なんですよね。
ただラグビーが上手いだけじゃなく、人格的魅力で周りの多くの人間を惹きつけていく、とても魅力的なラグビー選手だったんです。
俳優でもないのに、『ノーサイド・ゲーム』で廣瀬俊朗の演技が上手すぎる、と話題になっていますが、廣瀬俊朗の高い人間力が俳優としてもいかんなく発揮されているということなんでしょう。
今の日本代表が、地獄の宮崎合宿と呼ばれる厳しい練習を繰り返している時、『ノーサイド・ゲーム』の放送がスタートしました。
厳しい練習を終えた選手達は、みんなで一緒に『ノーサイド・ゲーム』を観てリラックスしていたようです。
そして今の日本代表の不動のキャプテン、リーチ・マイケルも廣瀬俊朗の演技のあまりのレベルの高さに驚いたようですね。
みんなで笑いながら『ノーサイド・ゲーム』を楽しんでいたのでしょうね。
日本ラグビーが発展していく事を誰よりも深く考えている廣瀬俊朗は、自らが『ノーサイド・ゲーム』に出る事で、少しでもラグビーの人気が高まってほしい、ラグビーワールドカップを多くの人に見てもらいたい、と願って『ノーサイド・ゲーム』のオーディションに参加したのでしょう。
そのような廣瀬俊朗を筆頭にしたラグビー選手達の熱い思いがあるという事を踏まえて『ノーサイド・ゲーム』を見てみると、より一層感情移入してドラマを楽しめるのではないでしょうか。
『ノーサイド・ゲーム』の今後の展開が本当に楽しみですよね♪
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